シングルとして音源を発表する3つのメリット!

音楽テレビ番組、ミュージックステーションに出演したことが話題となっている、現在活動休止中のHi-Standardのギタリストとして知られる、Ken Yokoyama。
彼が社長を務めるレーベル、Pizza of Death Recordsのホームページにて執筆中の日記、「横山健の別に危なくないコラム」で、今回なぜ” I Won’t Turn Off My Radio”というシングルをリリースしたのかについての思いを書いています。

シングルとは2曲から5曲ほど収録した音源のこと。海外ではEPなどと呼ばれたりもします。
この記事では、そんなシングルとして音源をリリースするメリットについて考察してみました。

 

新しい自分たちをすぐに表現できる

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通常9曲から12曲ほど収録してリリースするアルバムに比べて、シングルに収録する楽曲が少ないので、制作時間を短くしてすぐにリリースできるというメリットがあります。
もちろん、いい音楽を世の中に届けようとしたときに時間をかけた方がいいに決まってるけど、あまりリリース期間が空いてしまうのもよろしくない。
特に活動を始めて間もないうちは、出来るだけコンスタントに音源をリリースして、自分たちをアピールする必要があるので、シングルという形でのリリースはオススメです。

また、それまでの自分たちとは異なる音楽性を表現したいとなったとき、それをすぐに表現するための手段としてシングルは有効やし、
アルバムを制作している途中で早くみんなに曲を届けたいと思ったら、アルバムのリリースに先行してシングルをリリースするっていう方法もアリ。

要するに、新しい自分たちを表現するための方法として、シングルっていうのはとっても便利ってことです。

 

 

テーマや世界観を表現できる

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今じゃ1曲単位でデジタル音源をリリースできる世の中になったし、リスナーとしても曲単位で音楽を楽しむ人が増えてる中で、あえてシングルというパッケージとして音源をリリースする理由。
それは、そのパッケージにテーマや世界観を込めることができるっていうのがある。

もちろん、アルバムにもテーマや世界観を持たせることができる。でも、アルバムっていうのは、自分たちの音楽を象徴する作品やから、あんまり攻めた内容にはしにくい。
その反面、シングルはもっとカジュアルに考えることができて、チャレンジングなテーマを持たせることもできる。
たとえばテーマを夏にして季節感を出すとか、自分たちには珍しく速い曲ばっかり集めましたとか。そのほかにも、普段は激しい楽曲を演奏するバンドやけど、シングルにはアコースティックギターで演奏した曲ばかりを収録して、メロディーの良さを楽しんでもらえるようにするなんてこともできる。

アルバムでは表現できない「別の顔」をシングルで表現できるっていうのもメリットやと思う。

 

リスナーに聴いてもらいやすい

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リスナーが新しいミュージシャンを聴いてみようとするとき、なかなかいきなりアルバムをまるごと聴いてみようとはなりにくくて、まずは1曲、2曲試しに聴いてみようってなることが多い。
そんなときに、シングルという音源があれば、自分たちを知ってもらえるキッカケとして使ってもらえる。

あと、シングルはアルバムに比べて値段が安くできるというのがある。
アルバムは制作にも時間がかかるし、単純に収録曲が多いしで、やっぱり発売するとなると結構な値段を付けたくなる。
それに対してシングルは単純に収録曲が少なくていいから、たとえば2曲入りでワンコイン、500円で販売なんてことも可能になる。2000円も3000円もするなら買うのはちょっとと思うリスナーにも、500円ならいっかという感じで手に取ってもらえやすくなる。

もちろん、有料で売るだけでなく、YouTubeやbandcampといったネットのツールを使って無料で配信するのもOK。
そのときにシングルとして何曲か収録しておくと、1曲だけ発表するよりも、リスナーに何回も繰り返し聴いてもらいやすくなるっていうメリットがある。1曲だけ何回もリピートすると飽きるけど、3,4曲のパッケージとして繰り返し聞くと気持ち良く聞けるもんね。

そうやって、自分たちを好きになってもらえるキッカケとして利用できるっていうメリットもある。

 

 

以上、シングルをリリースするメリットについて考えてみました。

今は音楽の聴き方が多様化していて、シングルやアルバムといった昔ながらの媒体だけがリスナーが楽しむものではなくなってきている。
そんな時代だからこそ、たとえばアルバムとシングル、もっと大きい括りで言えば、デジタル音源とフィジカル音源、それぞれの形でリリースするときのメリットは何かということを意識して、音源を世の中に発表していく必要があると思う。

シングルという媒体を選べば、この記事に書いたようなメリットがあるということを、ぜひとも参考にしてもらえればなって思います。

latte

About latte

オルタナティブな音楽が好きです。